2025年1月18日(土) / 多目的ホール 他
模擬面接担当理事 梅本 和夫 (A-24)
豊田高専同窓会にて取り組みを行っている模擬面接は、第15回の開催を迎えました。
私は第11回から模擬面接官として参加しておりますが、模擬面接発足時と近年の模擬面接の状況及び模擬面接の有意義性について感じたことをご報告致します。第1回模擬面接は2010年度に開催されました。当時社会情勢はリーマンショック後の就職氷河期であり、就職活動は大変厳しい時代です(日本経済新聞より就職(内定)率10月時点62.5%)。大学生と肩を並べて、就職活動を行うえで高専生はどのように立ち振る舞えばよいか、高専生にとって苦手な分野でありました(現在でも苦手意識があります)。その頃の情報入手方法は、新聞、テレビ、専門雑誌、会社パンフレット、OB・OG、先生からの話であったと思います。それらからの情報入手のみであった高専生に対して、同窓会の有志らが発起し、模擬面接を立ち上げたと云う経緯があります。一方近年の就職活動は売り手市場で、就職希望者にとって有利な状況です。また情報入手方法も、携帯電話、インターネットが普及し、SNS等による情報が溢れ、会社面接を受ける高専生は、模範解答となる情報を自身で判断し、面接に臨んでいる状況となっています。また直近ではAIによる面接を実施する企業もあり、受け手もAIが模範解答を見出しており、自身で考えることを怠っているのも否めません。このような学生優位の時代により、近年模擬面接を受講する高専生が減っているのが現状です。(第15回模擬面接の受講者は5科合わせて9名)
そこで同窓会では、改めて模擬面接の意義について議論を重ねました。正しい答を見出すことは難しいですが、間違いなく企業は「人・人物像」を重視し、その手法として面着の面接を実施しています。「みなさま、面接を受けたことありますか」殆どの方が受けたことがあると思います。「その時の気持ちどうでしたか」「緊張し、ドキドキした」という方が殆どと思います。とても貴重な体験であり、後から考えると「あーしておけばよかった」と気付かれたと思います。緊張・ドキドキ感はSNSでは伝わりません。AIからも体感できません。
唯一の方法は、人による面接を受けることです。この緊張・ドキドキ感を感じられる模擬面接を同窓会では作り上げ、高専生が本番の企業面接で堂々応えられるよう支援していきます。
A-27 内藤 恵子
模擬面接官を初めて務めまして、自分が学生の時に、模擬面接の体験をしたかったと思いました。それは、多種多様な会社、経歴のある面接官から、様々な角度で質問があり、本音の意見を聞くことが出来るからです。模擬面接を体験した学生は、学生生活は充実し、堂々と話し、とても好印象でしたが、さらに成長したことと思います。反面、もし私が学生だったら、模擬面接に応募しないだろうなとも思いました。理由は、同級生の前で面接の様子を見学されるのは、気恥ずかしいからです。きっと私のように思い、応募できない学生もいると思いますので、そのような学生の力になる為にも、少人数制の模擬面接の検討をお願いしたいと思いました。貴重な経験をありがとうございました。
E-35 酒井 綾子
豊田高専同窓会では、有志による模擬面接を2010年度から開催しています。学生の緊張感が伝わり、毎回こちらも身が引き締まります。本番前に、社会で活躍する諸先輩から率直なフィードバックを受けられるこの機会は、きっと学生にとって貴重な経験になっているはずです。私が在学していた頃にはなかった取り組みで、正直うらやましく思います。高専設立当初は就職が中心だったと聞いていますが、今では大学編入や起業など、進路の選択肢が広がっています。それぞれの希望が実現することを、模擬面接に関わる同窓生一同、心より願っています。



同窓会担当副会長 早稲田 修史 (I-14)
就職活動って何をすればいいの?と思っている学生さんは多いと思います。そんな学生さんの不安を取り除くことができればと、講座を実施しています。内容としては一般的なメールや面接でのマナーはもちろんですが、自己分析や企業分析の大切さを知ることができるようになっています。また、ここ数年で始めた就職して間もない卒業生を招いて自身の就職活動を話していただく章は、特に学生さんの興味をひいているのではないかと思います。本講座で自分の人生を考える、そんなきっかけになってもらえたら幸いです。
E-54 帆引 亮太朗
今回は企業研究の講義を担当しました。近年入社後の若手社員の離職率は比較的高い傾向にあり、この理由の多くは企業の実態に対して入社後にギャップを感じてしまうことにあります。就職活動において企業を知ることはこのギャップを作らないようにするだけでなく、企業が求める人材像が明確となり採用試験を優位に進めることにもつながります。高専生にはとても多くの企業求人と大学卒と十分に張り合える力があります。是非この絶好のチャンスをモノにするためにしっかりと企業を研究し入社後の目標や目指す人物像に向けて自己研鑽に励み、自分に合った企業に出会って、そこで豊田高専生として名をあげる活躍をすることを期待しています。
C-50 山口 礼央
この度講師を務める機会をいただき、大変貴重な経験となりました。学生の皆さんが真剣に耳を傾け、積極的に質問をしてくださったことで、就職活動への関心の高さを実感しました。講義を通じて自身の経験や具体的な表現の工夫を共有できたことが、少しでも皆さんの自信につながれば嬉しく思います。質疑応答ではさまざまな視点や課題に触れ、私自身も多くの学びを得ることができました。
また今回の講義を通じて、OBとして後輩を支援する意義を改めて感じました。今後はより多くのOB・OGの方々にも同窓会活動に参加していただき、経験を共有しながら後輩の成長を支えていければと思います。学生の皆さんが自分らしい表現を磨き、就職活動で力を発揮できることを心より願っています。